AIが上司になる日

【AIマンガ】会議④AI部長の思惑(きれいごと編)/AI上司/AI Boss15

AIと共存する社会 Society5.0。全国会議も無事終了。事務局スタッフはホッとしていますが、一方で参加者の不満が帰り道に爆発します。

「働き方改革」と「ヒトの二面性」が思わぬ相乗効果をもたらし、会議は一層本音が出にくい傾向に。でも実は、これもAI部長の思惑通り…というお話です。AI Bossシリーズ第15弾。

AI部長の思惑/きれいごと編





IT系をはじめとする新興勢力の台頭が、トラディショナルな組織に意識改革を迫っています。10年前より、会議やコミュニケーションの質は確実に上がりました。会議では、脱線や無駄な発言が減り、参加者は目的に沿った議論を心掛けているように見えます。

にもかかわらず、企業の不祥事が後を絶ちません。相変わらずメディアを賑わしているのは何故でしょう。

「建て前」ベースの議論で良しとする「暗黙の了解」が、組織に根付いているのが原因ならば、事態は深刻です。

しかも、このケースのように「働き方改革」が「別の意味」で作用しているのなら、企業が抱える爆弾は地下に潜り、問題は先送りされるでしょう。

※予定調和と時短の波【コラム①組織を揺るがす「ステルスな2大リスク」

【AI部長の解決力/光】
会議終了後にこそ「本音」が出てくる。

ヒトの「特性」を見抜いていたAI部長は、社員の端末を通して、会議終了後の会話を「モニタ」していました。

そのおかげで、問題の本質にあっさりたどり着いたAI部長は、その後も「騒がず」スマートに対策に乗り出します。

社内に大号令を出す事もなく、誰も傷付けず、気づかぬうちに問題は改善し、再演防止が進むため、もはやハレーションすら起こりません。

AI部長は、下手に「ヒト」を巻き込まない方が、早く物事が進むことを知っているのです。

いつの間にかリスクヘッジしてくれる「AI部長」に、社員はもっと感謝すべきかもしれません。

【AI部長の解決力/影】
「チームのため」「会社のため」といった熱い姿勢は、余計な仕事を増やす(メンバーの残業時間を増やす)。こうした風潮が、若いエネルギーをあっという間に委縮させます。

建て前ベースで議論が進み、本音は地下に潜るでしょう。

世代別にみると、
①若手スタッフ:チャレンジングな熱い姿勢は「時短」と逆行。周囲に疎まれ、挑戦意欲が削がれる
②ベテランスタッフ:現場の「実態」をあえて語ることもなく、本音と建前は一層乖離する

「ヒト」どおしが悪循環に陥り「膠着」しているうちに、「AI上司」はリスクヘッジを着々と進め、会社をスマートに立て直していきます。

裏を返せば、「ヒトがリスクを取らなくて済む社会」=「ヒトが解決能力を無くしていく未来」ということです。

「ユースレスクラス(無用者階級)※」が叫ばれるのは、こうした意味もあるでしょう。
※ユヴァル・ノア・ハラリ氏/朝日新聞記事(2019年9月8日)より

※予定調和の波、効率化と時短の波
【コラム①】組織を揺るがす「ステルスな2大リスク」

※「ヒト」の能力が無くなっていく
【序章①】「知恵」を身につけた者が勝つ世界

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