AIが上司になる日

【AIマンガ】VR研修(没入感編)/AI上司/AI Boss19

AIと共存する社会 Society5.0。営業部員たちが研修について話しています。

「ロールプレイング」は、顧客の視点で考えたり、若手社員の経験不足を補う有効なツールとして、これまで研修で多用されてきました。

ところが「気恥ずかしさ」もあり、苦手な人も多いハズ。そんな時、AI部長が作製したVR用トレーニングコンテンツが威力を発揮します。AI Bossシリーズ第19弾。

1、VR(仮想現実)研修/没入感がすごい編





建設中のマンション室内を先取りして体感したり、映画やゲームの世界に入り込んだり。VR(Virtual Reality/仮想現実)の世界を体験できる機会が増えてきました。

経産省をはじめ、その他の省庁※も積極的に活用推進に乗り出しています。

これを受け、コンシューマー向けのエンターテインメントが中心だったVRも、企業内での教育・訓練用途など、ビジネス分野での活用も、広がりを見せています。

【ロールプレイングの是非】
社内研修につきものの「ロールプレイング」。顧客目線でモノを考えたり、緊急時を疑似体験したり。手軽で効果的な研修手法として、昔から多用されてきました。

ところがこのロープレ。はっきり言って「やらせる側」と「やる側」の温度差が凄まじい。

敬遠する受講者が多い一方、「やらせる側」は相変わらずロープレの効果を熱く強調します。

効果が薄いのは「やる側」の目的意識の欠如が原因!とまで言われると、受講者も、同僚の前で「気まずさ」に耐えながら、適度な演技で研修を乗り切ります。

「気づきがありました!」と大人の対応で応じる姿は、いかにも「ヒト」らしい構図です。

【VR+AR+MRの威力/光】
VR研修は、みんなが抱えてきたこの「モヤモヤ」を一掃します。

CGで作り出した環境は、その高い再現性から、あたかも自分がそこに居るかのような感覚に陥ります。情報伝達力+没入感は抜群。

何より優れているのは、経験させたい人の目線を、「一人称目線」で視聴できる事。その人の立場を簡単に疑似体験できます。

ということは、「不満を抱える顧客目線」を追体験したり、技術者や職人の「動き」を一人称目線で体験したり、可能性は広がります。

飛行機や電車の操縦訓練に、もはや高価なシミュレーターは不要でしょう。

【VR+AR+MRの威力/影】
VRの次に控えるのは
・AR(Augmented Reality/拡張現実)
・MR(Mixed Reality/複合現実)
といった技術です。これらを「3Dホログラム」と組み合わせれば、もはやスターウォーズの世界。

これらの技術は、体験するヒトの感覚や感情、脳に強い働きかけをします。五感に与える刺激がリアルなほど、感情や印象の操作も可能です。

技術が飛躍的に進歩した時、それを使う「ヒト」の責任も、飛躍的に高まります。戦闘力を高めた「ドローン」と同じですね。

更にやっかいなのは「因果関係」が分かりずらいこと。そこを突かれ悪用される可能性もはらんでいます。

性善説に立てば、素晴らしい技術群です。良質なVRコンテンツは、「技術力の継承」や「能力向上」に大いに貢献する。

一方で、ヒトの特性(クロスモーダル現象※)を悪用し、視覚への刺激を操作することで、複数の知覚を操ったり、意図的な感情を気づかれないよう誘発することも可能でしょう。

「あの商品が好き」「この政治家は嫌い」という気持ちは、果たして自分本来の感情か!? そういえばVR研修の後で芽生えた気もする…

2、まとめ

・VR技術は、映画やゲーム等エンターテインメントの世界が中心だったが、教育訓練用途など、ビジネスでの活用も広がりを見せる

・効果的な研修手法として多用される「ロールプレイング」だが、同僚の前での気まずさもあり、適度な演技でやり過ごす受講生も多い
・VR研修は、既存のアナログ手法が抱える「モヤモヤ」を一掃する力を持つ

・高い再現性と、そこに居るかのような没入感で、経験させたい顧客の立場を「一人称目線」で疑似体験できる
・良質なVRコンテンツは、技術力の継承や能力向上に貢献する

・悪用すれば、知覚を操ったり、意図的な感情を気づかれないよう誘発することも可能

※VR等の活用推進に乗り出す省庁
・観光庁:VR/ARを活用した観光コンテンツ活用に向けたナレッジ集で、観光資源の魅力向上を支援
・農水省:「農業・農村VR体験コンテンツ」で、農業について理解を深める
・文科省:「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」の中で、調べ学習への活用(AR)や、疑似体験による効果的な指導(VR)を盛り込む

※クロスモーダル現象
視覚と味覚など、Aの感覚を刺激するとBの感覚を脳が(過去の体験から)補完してしまう現象。別々の知覚が相互に影響を及ぼす。例えば、珈琲を焙煎している映像を見て、実際にその場には無い「香り」を感じてしまう錯覚現象など。

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