目次
(6)~(8) 天秤にかける知恵/情報を洗う知恵
私たちは、ビジネスシーンの「場(When+Where)」をしつらえる時、仕事の効果を最大化しようと、無意識に様々な知恵を使っています。
中には、いくつもの相反要素を抱え、ぎりぎりのリスクヘッジを迫られる事も。教科書には載っていない現場の知恵を2つ紹介します。

今回のモデルケース(上司(課長)から、案件を「部長へ報告するよう」頼まれたシーン)で、担当者が考えた選択肢は次の3通りです。
(6)すぐに部長席へ報告に行く
(7)喫煙室やリフレッシュコーナー等でインフォーマルに耳打ちする
(8)今夜まで持ち越し、飲みながら聞いてもらう
<P1>
(1)【基本編】報連相は「早く!」が基本
報連相のタイミングは、時間を空けず迅速に行うのが基本です(選択肢(6))。
【報告のタイミング(基本編)】
・悪い情報ほど早く報連相。迅速なエスカレーションでリスクヘッジし、大幅な手戻りを避ける
・報告が遅れるほど、とり得る「選択肢」が少なくなる
・プロジェクトの進捗チェックの類なら、どんどん報告し確認を受ける
・コンプライアンスに関わる案件も至急報告
どの教科書にも「ビジネスの基本動作」として、この内容が登場します。
ではなぜ、モデルケースの担当者は(7)インフォーマルな場や(8)今夜まで持ち越し、などの選択も視野に入れたのでしょう?状況次第では、リスクを抱えたままでいることも覚悟したハズです。
「ザ・日本の会社」の発想だよね
IT企業や外資系には関係ないと思う…
・その報告は、全員が聞いてもOKな情報か?
・実は、隣のB部長が握っていながら
表に出していない情報だったらどうするか?
様々。日頃から広い視野でチェックするのが
彼の頭では習慣化されているんだ!
<P2>
(2)【応用編】報連相は「早く!」1択だけ…なんてあり得ない!
現場はいつも、一筋縄にはいかない「応用問題」だらけ。正直「基本問題」なんてひとつもないでしょう。考えるべきパラメータはたくさんあり、色んな視点でモノを見ることが求められます。
責任とってくれるわけじゃないからね…
「拙速」な行動は相手も困らせるぞ!
いくつもの相反要素を抱え、多少のリスクを覚悟して「応用問題」に立ち向かう姿勢に、相手は高いエネルギーと志を感じ、思いが響くようになるものです。
また、難題に立ち向かった「場数」だけ、その人の知恵は奥行きを広げ、ビジネスパーソンとしての価値を高めます。
基本動作を知りながら、報告のタイミングを「見極める選択」をした裏には、どんな思惑が絡んでいるか。担当者が使った「知恵」を2つご紹介します。
<P3>
(3)天秤にかける知恵
現場では、常に相反要素が常に存在し、何かを優先すれば何かが犠牲になります。
今回のモデルケースは、課長から「案件を部長に報告するよう」指示される、という設定でした。これを受け「最早組」担当者が(6)から(8)まで3つの選択を視野に入れたのは、
1.報告する「情報の鮮度」
2.報告する「効果の最大化」
という相反する2つの要素を「天秤」にかけていたためです。
(6)部長席へすぐ報告に行く
・何も考えず、直ちに部長席へ向かえば、情報の鮮度は保たれます。誰にとがめられることもないでしょう
・ただし、何の検証もしていないため、結果的に、拙速な行動が問題を引き起こすかもしれません
こんな状態で報告にくるな!って
怒られる事も多いな…
(7)インフォーマルに耳打ちする
(8)飲みながら聞いてもらう
・すぐに部長席には向かいません
・「確証がとれた効果的な報告」にする事と、時間が空くことで「情報が劣化するリスク」「問題が発生するリスク」の丁度いいバランスを見極め、タイミングを計っているのです
・ただし、ボールを持っている(報告していない)間はリスクも負っています
このように「天秤」にかけるには、掛けられるだけの情報と状況判断力、洞察力など、深い「知恵」と「度量」が必要です。
<P4>
(4)情報を洗う知恵
情報の重要性が高い場合、その取扱いにも注意が必要です。
1.情報の秘匿性 (誰まで知って良い情報か)
2.情報の信憑性 (情報は信頼できるか+その根拠)
2.情報の流通経路(誰からもたらされ情報か)
3.情報を既知の者(既に知っている部署や人物、情報との関係性)
にまで視野を広げ、周辺を慎重にチェックすることが必要です。拙速な行動や判断ミスは、取り返しのつかない状況を招きかねません。
情報の取り扱いは、最終的には管理職の責任です。が、重要な案件ほど確実に「前裁き」してあげることで、参謀としての信頼は格段にアップします。
「あいつが見ているなら大丈夫!」と上長に思わせる部下の存在は、重要な局面ほど、強い絆を発揮します。
信頼できる部下が事前承認してると
心強いだろうね!
<P5>
(5)【まとめ】場の設定
ビジネスシーンの場(When+Where)の設定について、これまでの要点をまとめます。
・組織の拡大に伴い、内外に利害関係者が増え、考慮すべきパラメータも増える
・ビジネスは常に相反要素が存在する。何を優先し何を犠牲にするか、リスクを見極め大胆に判断する「天秤にかける知恵」が必要。深い洞察力など、知恵と度量が試される
・重要な情報を扱う場合、秘匿性や流通経路等に注意が必要。重要な局面ほど確実に前裁きする「周辺を洗う知恵」で、上長の信頼も増す。
ヒトには、わかっていても黙っている美徳が存在します。上司はただ報告を聞くだけなく、あなたの高い判断能力をしっかり見抜いているものです。
<P6>
(9)~(14) おもてなしの知恵
9番~14番は、相手への「気遣い」や「配慮」に関するテーマです。
ビジネスにおける「おもてなし」の知恵は、地味なテーマで見過ごされがちですが、「ヒト」を相手に商売する限り、効果絶大な隠れた「ツボ」。
しかし、この事実を効果的に使っている人は、案外少ないかもしれません。「おもてなし」とは、趣味趣向を調べ、話を合わせたり、過剰なサービスを提供する事とは違います。
【ビジネスの「おもてなし」】
① 相手に興味を持ち、相手を知ること
② 相手の視点に切り替え「相手の思考」を想像すること。更に、この動作が
③ 習慣として身につき、自然にできること
仕事の相手を、興味を持って「知ろう」とすることは基本です。「興味を持たれているか」「口先だけの対応か」は、相手もすぐに察っします。
<P7>
また、相手の「思考の特徴」や「クセ」を押さえるだけで、「気遣い」が伝わるだけでなく、洞察力の高さが「信頼」を高めていくでしょう。
【思考の特徴】
・何を「大切に」思う人か
・どこに「価値」を見出す人か
・その人の「判断基準」はどこにあるか
・何に「こだわる」人か
実は、興味が無い相手に「おもてなし」をしようと重い腰を上げると、文字通り「重さ」が相手に伝わってしまいます。自分では「気遣い」のつもりが、恩着せがましい態度や、口先だけの対応が鼻につくようでは、お互い逆効果。
やり過ぎは逆効果ですが、「相手の思考」を想像する習慣は、ビジネスパーソンには大切な知恵の一つです。
・ストーリーが大切で、最後に「結論」か
上司のタイプを見極める判断力と同じだね
「バーン」って書類投げる人、昔は結構いたね~

<P8>