3章 会議の知恵

3章② 会議の「知識」/3つの会議テクニック

会議は「参加人数分の時間」を消費して行われます。貴重なリソースを使って一堂に会しているため、それに見合った成果を短時間で効率良く出すことが求められます。

効率的に進める第一歩は、会議の①「目的」②「到達点」③「使える時間」を参加者全員が共有していることですが、この章では、代表的な3つの「会議テクニック」を紹介します。

1、効率を上げる3つの「会議テクニック」

会議を効率良く進行し、目的に沿った効果的な議論を引き出すための3つの「会議テクニック」をご紹介します。

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(1)目的と到達点を共有し、参加者の主体性を高める

① 発散(アイディア出し)のみの会議か、収束し結論まで出すのか、はじめに「会議目的」と「到達点」を共有する
② 到達点に向け「方向性」を合わせ、脱線を防ぎ時間の浪費を抑える
③ この時間の「意味」を理解させ、参加者の主体性を高める

(2)ホワイトボードの効果的活用

会議中盤によく見られるのは、熱を帯びた参加者どおしが、多地点間で議論を繰り広げる光景です。傍目には白熱しているようですが、どこに着地するかわかりません。

こんな時、ホワイトボードで簡単に交通整理が可能です。参加メンバー全員の意識をホワイト一点に向かわせることで、次のような効果が期待できます。

① 論点の見える化
② 論理矛盾や議論の飛躍の抑制
③ 多地点間の「ランダム発言」を交通整理
④ メンバー間の「同床異夢」を解消
⑤ モレや重複のない明快なタスク分担

また「ホワイトボードの画像」を共有しておけば、その後の恣意的な解釈の抑制や、モレのないタスク分担に効果があり、一石二鳥です。

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ろばーと
ろばーと
論点が明確になるし
仕事の分担にも有効だね
後でいい訳できない!
じぇーむす
じぇーむす
盛り上がってる時に限って
マジックがインク切れになることが多い!

(3)会議準備と関係者への配慮

① 参加予定者に、会議の目的や情報を事前に共有
②鍵を握る部署と「腹を割って」話しをする
③キーマンと「信頼関係」を築く
④キーマンや鍵を握る部署と、当日の進行について意識を合わせる
⑤クレイマーやアタッカーには、協力をお願いしたい旨を丁寧に説明する

④議論の鍵を握る「個人」や「部署」との「事前打合せ」や「根回し」に、調整能力を発揮する人は多いでしょう。しかし「手段の目的化」には要注意。

「事前打合せ」や「根回し」は手段であり、本来の目的は、日頃から②腹を割って話せる状態をつくり、③信頼関係を築くことにあります。

議事を「通したい」時だけ調子良く「根回し」しに顔を出すのでは、「いやらしさ」が鼻につきビジネスパーソンとしての資質も棄損するでしょう。

調整に来た担当者に、より大きな「目的」を肌で感じるからこそ、人は動くのです。

また、⑤の配慮も見逃せません。会議当日、特定の個人にかかりきりになるのは、調整不足を露呈するだけでなく、他の参加メンバーの時間を無駄にするからです。

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2、発散と収束だけじゃない!会議の「構成」

会議の進行でよく取り上げられるのは「発散」と「収束」に関する話題でしょう。発散(ブレスト)してアイディアを出すことが目的なのか、時間内に収束し結論まで出したいのか、はじめに参加者の意識を合わせておくことが大切です。

じぇーむす
じぇーむす
発散だけで終わってしまうこと
よくあるからな…

発散と収束には注目する一方、案外見落とすのが結論をまとめる時間。特に、次のアクションにつなげる「最後の5分」は重要です。

実は、一般的な会議に共通しているのは

1、認識できる「課題」が既に存在し
2、それをみんなで「解決」していく

ために、全体が構成されていることです。
つまり「課題解決」に丁度良くアレンジされたプロセスで出来ているのです。

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このため「発散」「収束」の先には、解決に向けた具体的な「アクション(作業)」が待ち受けることになります。

りー課長
りー課長
次の会議までに
参加メンバーで仕事を分担するぞ!

本来は、課題を「探す」課題を「設定する」というフェーズが前段にあるはずですが、たいてい課題は「与えられた」状況からスタートします。

このため「解決する」ことが会議の目的に。終盤には、参加メンバー間での「タスク分担ゲーム」が待っています。

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