AIと共存する社会「Society5.0」は、もう始まっています。
オフィスでも共存が進み、ある日私たちの上司は「AI」に。半世紀にわたって映画で描かれてきた世界が、いよいよ現実になろうとしています。
目次
1「AI部長」着任初日ドキュメント
物語は、とあるグローバル企業の営業部が舞台。世界11ヵ国の営業部を束ねる敏腕「AI部長」が主人公です。
不安①見た目

AI部長との職場生活は、突然幕を開けました。
着任の日。彼のあまりに簡素な容姿に、衝撃がはしります。
高い職責にもかかわらず、AI上司にありがちな「いかつい」イメージは全くありません。むしろただの端末。導入コストを削った影響でしょうか?
自分達の上司なんだから、せめてもっとhumanoid(ヒューマノイド)な見た目に仕上げてもらわないと…。感情移入しにくい部長の外観に、みんな戸惑いを隠せません。

世間は「ヒトとAIの共存」等と美辞麗句で持ち上げます。ですが、当事者には厳しい「手探り」の職場生活が強いられます。
不安②距離の取り方
部長への報告第1号になりそうな担当者は、距離の取り方がわからず、ずいぶん混乱しています。

今から自分は、部長と呼ばれる「あの端末」に本当に話し掛けるのか?
物に向かって、しかも「自分の上司」の体裁で話かけ、まじめに業務報告する絵姿がまったく想像できません。ヒトとしてそれで「あって」いるのか、頭が混乱してきました。
たった一台、職場に「AI」が来ただけなのに、昨日までとは、まるで違う次元にいるようです。

時計の音だけが響く張り詰めた空気の中、職場の注目を浴びながら、ぎこちなく彼は「端末」の前に立ちました。
「今日の営業報告ですが…」口にはしたものの、どこを見ればいいのか分かりません。「せめて目玉くらい、ついてればいいのに」
手探りのコミュニケーションは、まだまだ続きます。
不安③反応がつかめない
恐らくAI部長は、声のトーンや、表情のちょっとした変化まで読み取り、相手の心理状態をバッチリ把握しています。
一方で、このAIには「表情」の設定がありません。顔つきや「目」を見て反応を見極めようにも、それが出来ないのです。(そもそもAIに「心理状態」など始めからありませんが)
このため、部長が黙ってしまうと「聞こえているかどうか」確かめる術すらありません。
不安④どこまで見えている?
「そもそも、何で目が無いんだよ!」
上司の「顔」が見えないのは、部下にとって致命的。ご機嫌伺いとまでいかずとも、上司の顔つきで、忙しそうか、機嫌が悪いか、逆に今ならいけそうか。見ていないようで部下はしっかり見ています。
AI部長には、顔のパーツが見当たりません。これが余計に社員を疑心暗鬼にします。オフィスの隅々まで、いや、もしかして廊下まで見えているのでは?
不安⑤昼休みと食事
見たところ、食べる機能は備わっていない様子。
「AIだし当然か」
「口を開いて食べられても、絵ずらが怖すぎる」
「とはいえ、部長だけ置いて、オレ達だけ社食に行っていいのか?」
「まあ、食堂に連れて行く絵も想像できないか」
不安⑥出張土産の行方
「どうしよう?」お菓子を出張土産に買ってきた社員が頭を抱えます。
「部長にだけ渡さないのは辛いな…」
「部長が居ない間に配ってしまおうか!」
ただ、この調子だと部長の離席はなさそうです。
「いっそ、部長も含めて全員に配ろうか?」
それはそれでハードルが高いことに気づきます。
「あの端末の前に、菓子を置く勇気は無いな」
不安⑦歓迎会の行方
歓迎会は一大イベント。いつもなら、新しい部長と距離を縮めるチャンスです。全員参加で盛大にやるのが慣例でした。
「どうしろというんだ!」幹事役の社員は、既に思考停止に陥っています。とはいえ、怖くて部長本人にも聞けません。
「会場までどうやって連れていくんだ?」
「オレのカバンに入れていくのか?」
「というか、お開きの後、オレの家に連れて帰るのか?」
2、AI部長と手探り職場生活の始まり
部長の着任初日は、とにかくドタバタでした。しかし本番はこれから。お互い手探りの職場生活が始まります。
○AI部長の部下評価
どんなアルゴリズムで評価する?
○AI部長に冗談は通じる?
○AI部長を飲み会に誘っていい?
○顧客の接待、次回から自分(部下)だけで行く?
○AI上司は「責任」をとれる?