AIが上司になる日

【AIマンガ】報連相①AIが上司になる日/AI上司/AI Boss1

AIとの共存が当たり前になる世界Society 5.0。オフィスでも共存が進み、ある日あなたの上司は「AI」に。

AI部長は、ヒトの職場に馴染むため、部下指導に流行りの「コーチング」や「ティーチング」手法を取り入れます。そんなAI部長の気遣いに、ヒトはかえって翻弄されてしまいます。

営業部を束ねる敏腕「AI部長」。AI Bossシリーズ第1弾。

AI部長へご報告 /アップデート編





「人事評価」や「考課」は、昔からヒトの頭を悩ませてきた問題ですが、同時に組織の成長力を担う重要な要素です。

評価指標はバージョンアップを繰り返し、目標に対する「達成率」や、発揮されたパフォーマンスだけでなく、個人の持つ「スキル」や「コンピテンシー」など、項目は増える一方。

これは、個人の成果や能力を「客観的」に評価しようとする営みに他なりません。組織が「ヒト」で構成される以上、的確な評価に基づく登用が、組織の生産性向上や競争力強化に直結するからです。

【AIによる人事評価/光】
ヒトがヒトを評価する以上、指標や項目がどんなに増えても「主観」が入り込むのは避けられません。評価者が自分の直観を信じて鉛筆を舐めれば、社員には「不公平感」が残ります。

その点、「AI」による人事評価はロジカルで客観的。公平性も保ちやすいでしょう。その意味で、問題点を一挙に解決する「画期的な制度改革」と期待する向きもあります。

ヒトによる評価と「AI評価」を併用すれば、導入のハードルも下がるでしょう。

これで、人事権や考課権を持つ人物にモヤモヤした感情を抱く事も無くなります。

【AIよる人事評価/影】
しかし状況は加速し、世代交代も進みます。

「AI評価」のアルゴリズムは複雑さを極め、前任者から引継ぎが無い「人事担当」は、あっという間に、これで良いのか判断出来なくなってしまいます。

つまり「AIの評価アルゴリズム」を、正しく評価できる「ヒト」自体がいなくなってしまうのです。

その頃には、組織の重要な構成員が「ヒト」であるかどうかも疑わしい。そもそも、AIがヒトを評価する営み自体、必要無くなっているかもしれません。

ヒトが、AI部長の「評価アルゴリズム」の内容にヤキモキし、バージョンアップのたびに翻弄される光景は、マンガでは滑稽でも、現実にはさみしい絵姿です。

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※「Society 5.0」
令和元年(2019年)版 総務省「情報通信白書」によれば、
・狩猟社会(Society 1.0)
・農耕社会(Society 2.0 )
・工業社会(Society 3.0 )
・情報社会(Society 4.0 )
の次に到来する社会。「サイバー空間と現実世界を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」と紹介されています。なかなか長いフレーズですが、描かれているのは素敵な未来です。

問題なのは、人間中心の「人間」が、どんな階層の人間なのか、ということでしょう。今後の社会の絵姿をどうしていくか、やはり「ヒト」次第である状況に変わりありません。