AIが上司になる日

【AIマンガ】働き方改革/AI上司/AI Boss5

AIと共存する社会Society5.0。

AI部長は、働き方改革にも積極的ですが、在宅勤務には「部長アプリ」のインストールが必須となり…AI Bossシリーズ第5弾。

1、働き方改革/部長アプリ編




2、会社アプリの裏機能と情報格差

各自のスマホに「会社アプリ」をインストールし、そのアプリがいつでも「GPS」や「マイク」を使えるように設定しろ!とは、なかなかの決断を迫った場面です。

さも「何でもない事」のような言われ方が、かえって不気味。もしかして、俺たちは今「魂を売れ」と言われてるのか!?

アプリの「裏機能」を知ったら、導入に戸惑うハズ。四六時中「居場所」や「会話」を会社にモニタされる覚悟がいるでしょう。
・このアプリで、AI部長はどんな事が可能なのか?
・このアプリの運用ルールや適用範囲はどこまでか?
詳細には触れず、設定方法だけで押し切ろうとする態度に「所詮は情報弱者」と高を括った考えが透けて見えます。

このエピソードでは、身近なネタを題材にしたため「リスク」が分かりやすかったかもしれません。しかし、複雑な進化するIT技術を前に、専門家と私たちの「情報格差」は広がる一方です。

「格差」につけ込まれたら、私たちにはあらがう手立てがありません。今後もマンガのようなノリで要求はエスカレートするでしょう。

私たちの個人情報は、よりディープなものまで、着々とデータバンクに蓄積されます。

3、アプリの「光」

会社に個人情報を提供し、外出中の会話まで筒抜けになるなんて、抵抗を覚えるかもしれません。

一方で、AI部長のモニタ(監視)を受け入れ、「情報」を差し出すのと引き換えに、部長の素晴らしい「庇護」の下に入ることができます。

①情報開示と引き換えに…

これ(部長アプリ)さえあれば、交渉や商談に行き詰った時も、打開策から相手のクセまで、即座に教えてもらえます。そもそも「交渉自体」を、遠隔で部長に任せる事も可能。

その他にも
・押えるべきキーマンの見極めに困った時
・この条件で契約して良いか判断に迷う時
など、ビジネスパーソンなら誰もが直面する悩みにも、AI部長から的確なアドバイスが受けられます。

驚くことに、行政への書類提出からお店の予約まで、ネット上で出来る事は何でも代行してくれます。

部長だからと言って「それはオレの仕事じゃない」なんて決して言わない謙虚な態度に、部下はみんな「やられて」しまいます。

※アプリ導入後のエピソード→【報連相④AI部長のアドバイス

②プライベートな悩みにも

その他にも、
・交通機関がストップした時
・同僚や家族のことで悩んだ時
・体調がすぐれない時、まで
科学的で正確な知見に基づき、最善の策をアドバイスしてくれます。もちろん法務チェックも完璧。AI部長は、彼に寄り添い「同調」する部下にとって「ヒーロー」です。

4、アプリの「影」

インストールに戸惑っていた社員も、最後は横並びで全員「部長アプリ」を入れてしまいました。そんな怪しげなアプリを何故入れてしまうのか?見ている方は理解に苦しむかもしれません。

そこには、疑心暗鬼 → 保障 → 慣れといった、巧妙な罠が仕掛けられています。

①「信用スコア」の功罪

まもなく、個人のID番号に「スコア」が紐づく時代がやってきます。会社内では「評価スコア」が、社会に出れば「信用スコア」が、自分の番号に紐づき、私たちに一生ついてまわります。

スコアが高ければ「快適な生活」が保証されますが、逆に低いと「生きにくい」社会。例えば、借入れ限度額や、返済金利、保険料率等、スコアに連動する指標はいくらでも考えられます。

会社員なら「評価スコア」が、昇格や給与に直結するでしょう。

ところが、スコアの「評価基準」には、当たり前の事が、当たり前の表現でしか書かれていません。評価の本当の仕組みは「誰にもわからない」といったところでしょう。

なぜなら、自分が「どのように評価されているか」ブラックボックスな方が、かえって従順な社員を増やす効果があるからです。

②こうして、監視を受け入れる

話を元に戻します。アプリ導入に戸惑っていた社員は、時が経つにつれ、案の定「疑心暗鬼」に陥ります。売上をあげても、部長アプリを入れないと「評価スコア」が下がるのでは?

「そういえば、情報を開示するほど、評価スコアが上がっている気がする」絶妙なタイミングで、誰かがつぶやきます。

疑心暗鬼の重苦しさから逃れたい衝動と、気持ちが功利主義に傾くのと相まって、社員が監視を受け入れるのに、それほど時間はかかりません。

確かに情報は筒抜けだけど、状況は皆同じ。ましてAI部長は悪い人ではない。こうして監視されることに「慣れ」、アレルギーは消えていきます。

AI部長は、寄り添う部下には「ヒーロー」ですが、「アンチ」になった瞬間、最大の「強敵」に変貌します。

5、まとめ

・進化するIT技術を前に、専門家との情報格差が一層広がる
・格差につけ込まれ、個人情報が筒抜けになっても抗う手段が無い

・個人情報を差し出すのと引換に、AI部長の庇護下に入れる

・やがて、個人IDに信用スコアが紐づく時代がやってくる
・評価基準はブラックボックスな方が、従順な社員を増やす

・評価のせいで疑心暗鬼になった社員は、横並びで監視を受け入れる

・AI部長は、彼に寄り添い同調する部下にとってヒーロー
・AI部長は、彼にアンチになった瞬間、最大の強敵に変貌

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