【選択の魔法】3つの法則

序章③【選択の魔法1】些細な選択が引き寄せる大きな結果_レベルⅢ

レベル3:無意識の選択/Unconscious

自分で「選んだつもりが無い」選択とは、どういうことでしょう?

正確に言うと、自らの意思(顕在意識)が介入せず、潜在意識が勝手に選んだ状態です。「往来のしぐさ」を例に考えてみます。

混雑した交差点。スムーズに流れているように見えますが、行き交う人々をよく見ると、(1)道を譲る人と(2)譲らない人、2種類の人間がいることに気づきます。

混雑した通りを歩くには、ぶつからないよう肩を引いたり、少し避けて進路を譲るなど、向こうから来る人に、ほど良い配慮が必要ですね。これは、江戸時代から日本に伝わる「往来しぐさ」です。

Aさん(図の青い線)は、この「しぐさ」を自然に身に付け、スマートに往来しています。

一方Bさん(図の赤い線)は、相手が道を譲るのが「当たり前」と言わんばかりに、真っ直ぐ突っ込んでしまいます。

さて、Bさんは、あえて道を譲らない「選択」をしたのでしょうか?

虫の居所が悪い時もあるでしょうが、恐らくBさんには「悪意」も「選んだつもり」もありません。それどころか「人に迷惑を掛けている」という意識すら無いでしょう。

これが「無意識の選択」です。その「怖さ」が伝わったでしょうか?

道を譲ってもらっても、先に通してもらっても、会釈も感謝もありません。何しろBさんは、(2)が当たり前の世界で生きています。

本人は気づいていませんが、彼の潜在意識は「突っ込め!」「先に行け!」と、いつでも号令をかけています。

これはわかり易い例ですが、自覚が無いだけで、誰もが似たようなことを「やらかして」いるかもしれません!

ここで最も避けたいのは、無意識の選択が、望まない状況を次々に「引き寄せ」てしまうことです。

満員電車や混雑したエレベーターなど、どこであろうと「我先に」突っ込むBさんは、恐らく一日中「相手の反発」を買っています。

無意識とは言え、その「選択」はトラブルを引き寄せる原因になるでしょう。

「引き寄せ」のからくり

私たちは、無意識のうちに出来上がった「思いグセ」「考えグセ」を抱えています。

「クセ」は、過去の出来事が絡み合い、長い間かかって少しづつ形成さるため、たとえ他人が気づいても、自分ではなかなかわかりません。

これが潜在意識に根を下ろし、いつも同じ方向にハンドルを切ろうとするのです。

悪いことに、自分ではこの事実が自覚できません。バランスをとろうと「逆ハンドル」を切ってくれる人がいなければ、クセはどんどん誇張され、結果に色濃く反映されてしまいます。

自分では、そこまで「ネガティブ」でないつもりでも、否定的な展開が続くのなら、この「からくり」を疑った方がいいでしょう。

無意識とはいえ、INPUT(受け止め方)もOUTPUT(相手に対する言動)も、いつも右ばかりを「選択」していたら、コースアウトは当たり前。

繰り返しますが、自分で右を「選んだ意識」が無いのが最大のネックです。「原因」が思い当たらないのに、その「結果」だけが次々とやって来る!

これが「似たような現象を引き寄せてしまうからくり」=「引き寄せの方程式」です。

「選択グセ」を見つけよう

一方で、この「からくり」を心得ていれば、たとえ「望まぬ状況」が続いても、状況を逆手に取って、落ち着いて対処することができます。

次々に引き寄せてしまう、思いと違った「偏った現象」(=結果)から逆算すれば、自分の中にある「思いグセ」「選択グセ」(=原因)が割り出せるのです。

ネガティブな展開が続くのなら、無意識な「否定グセ」が引き寄せたサイン。

一度自分の「クセ」を疑い、偏ったハンドル操作になっていないか、振り返ってみましょう。

引き寄せの方程式から、まずは①自分のクセを自覚する。その上で②これまで見逃していた「些細な選択」にも、一度きちんとフォーカスする。こうして「偏った軌道」が修正されていきます。

今度は、自分の思いに沿った「大きな結果」が引き寄せられるでしょう。

これが「選択の魔法」1つ目のテーマです。